「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」 (新井紀子著 東洋経済新報社刊)
を、もうお読みになったでしょうか?
まだお読みでない方には、是非一読されることをお勧めいたします。
新井氏は詳細なデータをもとに、小中高生の大部分が教科書を読みこなす能力がないことを実証しています。
データ収集にあたって新井氏が使用したのは、主に学校現場で実際に使用している
教科書です。特に難解な文章を使っているわけではありません。
ところが、ごく一部の、トップ校に楽々入ることのできるような生徒以外のほとんどが国語に限らず数学、英語、理科、社会等の教科書を読みこなせないのです。
意外に思われる方が多いと思いますが、分析の結果に間違いはないと思われます。
教科書を開いて自主的に勉強し、成績を上げることがいかに困難であるかということがお分かりいただけると思います。学習時間を大幅に増やしたり、問題解法の細かなテクニックを身につけることによって解決できる事柄ではありません。
そして容易に想像できることと思いますが、基本的な文章の読解力がないということは、進学、就職、その後の社会生活を行っていく上で大きな問題となってくるでしょう。
合理的な学習方法を習得し、今後に活かせる学力を身につけるためのお手伝いをさせていただければと思います。
文章読解力の強化を前提として具体的な目標としては、
小学生であれば、100点満点で85~90点以上、
中学生であれば、100点満点で80点以上をコンスタントに取ることをまずは目標にしましょう。
それ以下の場合、今後の学習内容の習得に支障を生じてしまうからです。
50点→60点、あるいは
60点→70点に上がったというのは、その過程としては大事かもしれませんが、それのみでは意味がありません。
今後、高校そして大学と勉強を続けるつもりがあるのならば、早く上記のレベルに達することを目指しましょう。
また、現在のレベルが、上記の目標よりはるかに下にあるからといって、悲観することはありません。やる気さえあれば多少時間はかかったとしても十分到達可能です。
そして、本当の勉強はそこからです。各学年で必要とされる学力を十分に身につけながら、勉強方法も習得し、意欲的に知識、教養を身につけましょう。